Japanische Klassiker mit Furigana
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こざくらひめものがたり
小桜姫物語
浅野 和三郎
Lesen Sie 小桜姫物語 (こざくらひめものがたり) von 浅野 和三郎 (あさのわさぶろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.097 Zeichen · 267 Bildschirme
俺などはいつも一張羅じゃ……。』
そんな軽口をきかれて、御自身はいつもと同一の白衣に白の頭巾をかぶり、そして長い長い一本の杖を持ち、素足に白鼻緒の藁草履を穿いて私の先きに立たれたのでした。序でにお爺さんの人相書をもう少しくわしく申上げますなら、年齢の頃は凡そ八十位、頭髪は真白、鼻下から顎にかけてのお髭も真白、それから睫毛も矢張り雪のように真白……すべて白づくめでございます。そしてどちらかと云へば面長で、眼鼻立のよく整った、上品な面差の方でございます。私はまだ仙人というものをよく存じませぬが、若し本当に仙人があるとしたら、それは私の指導役のお爺さんのような方ではなかろうかと考えるのでございます。あの方ばかりはどこからどこまで、きれいに枯れ切って、すっかりあくぬけがして居られます。
山の修行場を後にした私達は、随分長い間険しい山道をば、下へ下へ下へと降ってまいりました。道はお爺さんが先きに立て案内して下さるので、少しも心配なことはありませぬが、それでもところどころ危つかしい難所だと思ったこともございました。又道中どこへ参りましても例の甲高い霊鳥の鳴声が前後左右の樹間から雨の降るように聴えました。