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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまをおもう

山を思う

石川 欣一

Lesen Sie 山を思う (やまをおもう) von 石川 欣一 (いしかわきんいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 79.814 Zeichen · 157 Bildschirme

Aozora Bunko

だが何ゆえ、特にこゝを選んだのか。

廿七日朝、水上まで汽車、そこから自動車みたいにガソリンで動く軽便鉄道で土合の建設事務所へ着いて、次席技師の内田氏にあった時、この点を質問した。すると、それには色々技術上の問題もあるが、何はとまれ、土合、土樽間が四点で見通しのつくことが、この上もない強みだとのことであった。即ち土合の信号所から茂倉岳の頂上が見え、頂上から山中のある一点が見え、そこからは土樽信号所が見下せるという。これは一つの啓示であった。

所で、土合へ来て驚いたのは、狭い谷を埋めつくした家である。湯檜曾にも鉄道関係の人は多数いるが、これは昔ながらの部落であった。しかるに土合は大正十一年この工事がはじまるまでは、人家とて碌にありはしなかったのが、いまでは二千人ばかりが集っていて、病院、学校、倶楽部等があり、この附近では最も文化的設備がとゝのっているのだが、さて隧道が貫通すると、あとには信号所が残るだけで、またもとの山猿の遊び場になってしまう。これは土樽とても全く同様である。

思いがけなかっただけに面白かったのは、糞尿焼却装置である。いさゝか話が尾籠になるが、これだけの人類の糞尿が、狭い湯檜曾川へ流れ込んだ日には、岩魚ややまめばかりでなく、下流に住む人々までが、とても生きてはいられまい。