Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.447 Zeichen · 76 Bildschirme
一月一日
一月一日
今年は好い正月な筈だ――と云うと少し可笑しいが、三十一日までは、何となしにぎやかで、快い正月になりそうな心持がして居た。けれども、なって見ると少し違った。妙に皆の心の中に負けおしみのようなこだわりがあって、長閑なところが少ない。それは、云うまでもなく、くにが警察から連れてこられて、あのはじの部屋にポツンとして居るからなのである。互に不調和な心持でいけない。
夜になって、三組町の親類へやるに、俥が初出でいやがるからと云うので、私が坂本氏のところへ行った。まるで世界の違ったように、町中がしずかで、どっちかと云えば、陰気なほどである。元旦の夜よりは、大晦日の方が、活き活きして居て心持が、どんなにいいか分らない。
坂本さんの島田は大変よく似合って、美くしく見えた。女の人は、あんな束髪なんかよりああ云う頭の方が、どんなにかいい。
暫く話して帰りに『三太郎の日記』をいただいて来る。前からよみたいと思って居たので大変嬉しく思う。早速よんで見よう。
帰るとすぐ、くにが出て行く。顔を見るのが辛いようだったので、奥へ行っこんで居た。ああして、不意に出て行く者に挨拶されるのは、たまらなく辛い。