Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.447 Zeichen · 76 Bildschirme
三月十四日
やっぱり一寸も準備も出来て居ないと立つのもいやになってしまうものだ。そうきまって見ると、却って今日立たない方が、万事によくなったような心持もする。そして、「文学に現われたる笑の研究」を読み始める。かなりよく研究してある。そして又文学的でもあるけれども、自分の今云おうとする「自嘲」と云うならその題目に、少し無理でもある作品の主人公などを持って行ったところがある。もっと深く味うべきところを、自嘲などと云う中へ、かなり安心して入れられて居るのは、余りうれしいものではない。或る研究の発表は、そう云うことが考えるべきことなのだろう。
三月十四日(水曜)
玄文社の小倉さんが少しぐずだ。なかなか校正を廻してくれないので、十六日に立つのにまに合わない。もう少し早くしてくれなくてはこまる。
「罪と罰」をよんで居る。もう二度目なのだけれども、この前に見たときとはまるで違った発見がある。非常によくかけて居る。こう云うものを見ると、ほんとうに自分を思いあがることなどは、さかさに立ったって出来はしない。自信と、ごう慢とは違う。たしかに。けれどもその差をはっきり自分の心で知って居るものはない。