Japanische Klassiker mit Furigana
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にっき
日記
宮本 百合子
Lesen Sie 日記 (にっき) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.447 Zeichen · 76 Bildschirme
〔二月の感想〕
去年の一日と、今年の一日とはまるで、半分ほどの違いがある。陳腐な言葉ではあるが、光陰矢の如しと云うのは、ほんとうだ。国男が作文で書いた時間は尊い宝であり、同時に敵であると云って居るのなどは、かなり頭が違って来た証拠だ。どうにかして、三日に出ることにする。そして出来そうだ。銀行から三十円出す。管野さんが来て、まだ柳津あたりが寒くてとうてい行かれないなどと話して行く。先にかした本を少し返して、又『水滸伝』や『ぐび人草』などを持って行く。母様のお話しなさる通り、私の持って居ない一種の心持をあの人は持って居るらしいことが少しずつ分って来た。少しいやだけれども、しかたがないのだろう。『キーランド集』を持って来てかして置いてくれた。「アルネ」とどこかにた色調があるらしい。
〔二月の感想〕
日光がそろそろと春めいて来る。食堂のテーブルの前に座って居ると、硝子窓を通してながめられる空の色がときどき「ああ春になった」と思わせる色で輝き始めた。
まだ寒い表面――薄氷のはった水の表には、まだ冬の寒さがただよって居ても、その底には、あったかいながれがあるように、――底の方からムズムズ、ムズムズと暖かさがしみ出して来る。