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Japanische Klassiker mit Furigana

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みなもとよりとも

源頼朝

吉川 英治

Lesen Sie 源頼朝 (みなもとよりとも) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 306.118 Zeichen · 613 Bildschirme

Aozora Bunko

継信も忠信も、彼の心をはかりかねたように、念を押した。

「落せとは」

「追い落すのだ」

「はっ」

ふたりは、断崖の際へ、馬の首を引っ張った。しかしやや近づくと、馬は恐れてそれ以上は動かなかった。

「誰ぞ、駒のしりを打て」

あわてて兄弟が云うと、おうと、他の者が馬のうしろへ廻って、

「打つぞ」

鞭を鳴らした。

とたんに、継信も忠信も、馬の口から手を離した。あやうく、宙へたてがみを振り立てた馬諸共、人も一しょに落ち込んだかと見えた。

二頭の裸馬は、断崖からまっ逆さまに落ちて行った。下まで、深さは何百尺か眼づもりもつかない。

「…………」

義経以下、大勢の顔が、息もせず、その一瞬をのぞき下ろしていた。白っぽい小石まじりの土砂に、所々、大きな岩石が露出している。土層の段ごとに、雑草や小松がまばらに生い、そしてその土層は、下の地盤から五、六段上に近づいてまた、七、八段の横縞を見せている。

元よりその一つの縞にも、馬は立ちどまらなかった。ひと段ごとに、土砂を蹴りくずし、下まで勢いよく落ちて、一頭は脚を折ったらしくそのまま斃れ、一頭は這い起きると身ぶるいして、そこらの草を喰っていた。