Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「それっきりか」

「それっきりでございます。銭形の親分さん、妹を助けてやって下さい。あの子は、何にも知りません」

「お前の言うのが本当なら助けてやる」

「お願い」

お国は手を合せます。

「が、伊勢屋の首を突いたのは、誰だ?」

「存じません」

「水へ突き落す時、後ろからやったのじゃあるまいな」

「そんな事が、親分さん」

その不合理さは平次自身にもよく解ります。が、人間が水の中で突かれるということもちょっと想像の出来ないことでした。

いずれにしても怪しいのは水の中にあったという金色の一物です。夜の作業の無理を承知の上で、平次は船頭の文次と漁師の伊太郎を水に潜らせることにしました。篝を焚き、松明を造り、「青砥藤綱」ほどの騒ぎをするのを、平次はいい加減に眺めて、庵寺へ引返します。

外見は間違いもなく寺院風ですが、荒れに荒れて、戸も壁もあると言うは名ばかり。中は仏間と居間と台所だけの簡素な造りで、そこに大きな疑懼を背負わされて、閉じ込められた六人の男女は、更ける夜とともに不安を募らせるばかりです。

庵主は三十前後の若い尼で、良海と名乗りますが、色の浅黒い、確りした恰幅と、旅から旅を経めぐったらしい、風雨の洗礼が、何となく人柄を粗野に見せます。