Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「これは銭形の親分さん、御苦労様で――」

平次を迎えたのは、若主人の専助、まだほんの二十二三の男ですが、気風も身体も聢りした桔梗屋が娘の婿にと望んだだけに、何となく頼母し気な青年でした。

「とんだ災難だったそうだね」

「有難うございます。まだ宵のうちで、私は留守でございました。お勝手から入って、下女のお滝を案内に、隠居所に休んでいる父親の専左衛門を脅かしたそうでございますが、父親は永の患いで、心持が本当でございません。泥棒は父親の部屋から手文庫だけを持出して、庭で錠前を打ち割って、中にあった七八両の金を持って逃げたそうでございます。――いえ、金は大した事はございませんが、帰って行く時、庭の松に引っ掛って、うっかり頬冠りが除れたそうで、お滝は泥棒の顔をよく見たと申します」

「えっ、それは真当か」

平次よりも八五郎の方が驚喜しました。

「すると、泥棒の方でも吃驚して、いきなり下女の顔へ手文庫の中の金を叩き付けたそうで、可哀相に若い娘が額をやられております。私が帰って来なかったら、引返して下女の命を取る気になったかもわかりませんが、泥棒が裏木戸から逃出すと一緒に、私が外から帰ったので、幸い何事もございませんでした」