Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

「親分、そんな事が――」

「いいってことよ、人が集まったら俺があやまってやるから」

手順がすっかり決りました。

間もなくやって来た按摩、一人者で薄眼が見えるようですが、恐ろしく感の悪い男で、あらゆる物に躓いて歩きます。

「こっちだよ、按摩さん」

「ヘエヘエ、親分さん、御近所に住んでいながら、ろくに挨拶もいたしません、――今日はまた有難うございました。私は、自分で言うのも変ですが、まことに按摩が下手で、――もっともまだ修業中でございますが、お気に召すような事は出来ません、ヘエヘエ」

五十前後、俄按摩らしく、なるほど念入りの下手です。

「お前さん、そんな不自由な眼で、よく一人で居なさるんだね」

「姪が時々手伝いに来てくれます。それに、冷飯に味噌を嘗めて暮すような身分で、大した不自由もございません」

四方山話をしながら、それでも腰から足へと揉んでいると、

「火事だ、火事だッ」

ガラッ八の声は隣から筒抜けます。

「按摩さん、お前さんのところらしいよ」

と平次。

「そ、それは大変ッ」

按摩は這い出しました。柱に鉢合せをしたり、土間に転げたり、自分の家まで行く騒ぎというものはありません。