Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(五)金の鯉

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme

Aozora Bunko

大事の証拠の簪はガラッ八に持たせて役所に返し、自分はその足で両国の盛り場へ。

言うまでもなくその時分の東西の両国の賑わいは、今(昭和六年当時)の浅草の六区のようなもの、見世物、軽業、歌舞伎芝居が軒を並べ、その間に水茶屋が建て込んで往来の客を呼ぶ外、少しの空地へもテキ屋が割り込んで、人寄せの独楽やら、居合抜き、三文手品、豆蔵、弘法様の石芋、安玩具などを声を涸らして売っております。

その中に立ち交って、銀流しの露店が一つ、大道の上に茣蓙を敷いて、その上に大小様々の金物、――金盥やら、鈴やら、火箸やら、薬缶やら、銭やら、鍵やら、ありとあらゆるものを並べ、薄茶色の粉で磨いて、それを悉く銀色に光らせて口上を言っております。

「さア、よく見なさい。これはオランダ人から伝わった、南蛮秘法の銀流し、あすこにもある、ここにもあるという物ではない、ちょいと唾を付けて磨くと、どんな物でも立ちどころに銀になる。鍋の片ら、銅の薬缶、鉄鍋、真鍮の煙管、何でも同じこと、お望みなら山吹色の小判でも、貴方がたの鼻の先で、見事瞬きする間に銀にしてお目にかける、嘘だと思う方は煙管でも、釵でも、お持ち合せのものを出して御覧じ、さア遠慮することはない――」