Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(五)金の鯉
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(五)金の鯉 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 136.062 Zeichen · 276 Bildschirme
お紋の素姓――というのは、さすがに本人は言い渋りましたが、訊き上手の平次が、いろいろ鎌をかけて引出したところでは、将軍秀忠の命を狙ったという疑いで、宇都宮十五万石を召上げられ、先年出羽の配所で死んだ本多上野介正純――その謀士で、釣天井の仕掛けを拵えたと思われている、河村靱負こそは、お紋の本当の父親だったのです。
謀反人の娘として、お紋は艱難辛苦を嘗めました。浅草の乳母に引取られて育った上、その乳母にも死に別れ、町芸妓になったところを、荻野左仲の眼に留って、しばらく湯島に囲われ、本妻が死んでから丸山の屋敷に入って、跡取りの勇太郎を生んだ――と言うのです。
お紋の異常な美しさも、その魅力の底に潜む品位も、河村靱負の娘と聞けば、なるほどうなずけないことはありません。
「私は幸い父親の遺した物や、荻野家の御手当で何不自由なく暮しております。このまま朽ち果てても怨みとは思いませんが、謀反人の娘の腹を藉りた子に、三千五百石の由緒ある旗本の家は継がせられないと言って、高木銀次郎、大沢幸吉の一味が、私の手から父河村靱負の形見――短刀と系図を奪い取って、それを証拠に勇太郎様を追い出そうとしているのは我慢がなりません」