Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
転げ込んで来たのは、越前屋の姪のお辰でした。
二十一になるというのに、子供子供した美しさで、その純情さも、一と通りではない様子です。
「お辰さんじゃないか。どうしたというのだ、今頃――」
「今晩親類たちが寄って、私を吉三郎さんと一緒にして、越前屋の後を継がせることに決めました。私はもう」
お辰はたださめざめと泣くのです。
「支配人の吉三郎さんは、それで、どうしたんだ」
「一応は辞退していましたが、皆んなで決めてしまっては、どうしようもありません――吉三郎さんが跡を取っても構いませんが、私は嫌で、嫌で」
「よし、判った。俺もあの吉三郎という男は虫が好かないよ。そのうちに何とかなるだろう、少し待ってくれ」
「でも私は、越前屋へは帰られません」
お辰がむずかっている真っ最中でした。
「親分、判った。――ああ、草臥れた」
疾風のように飛込んで来たのは埃だらけの八五郎でした。
「八、御苦労だったな。どうだ様子は?」
「川崎から真っ直ぐに東海道を、大磯まで行きましたよ。吉三郎が前の晩泊ったという米田屋で訊いたが、その晩は講中の客で一杯、ふりの客は皆んな断っている」
「大磯の虎屋は?」