Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十五)茶碗割り

野村 胡堂

Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme

Aozora Bunko

「そう」

平次は巌乗な井桁に手を掛けて覗いて見ました。この辺の井戸ですから石を畳み上げて立派には出来ていますが、ひどく浅い様子です。

裏木戸は外から容易に開き、裏門も思いの外ぞんざいで、閉めたつもりでも、ガタガタやれば外から苦もなく開くのでした。

外へ出て少し歩くと、鼻の先はすぐ新場橋、濠の水は汚れて、匕首の一本や二本呑んだところで容易に捜しようはありません。

「脅かしの手紙は五日目まで来たと言いましたね。その晩お嬢さんが庭へ出ていたのは何刻ごろでした」

平次は後ろから跟いて来た主人の彦太郎に訊きました。

「夜中過ぎ――丑刻半(三時)少し前かな。宵に気分が悪いと言って騒いだ娘のことが気になるから、部屋を覗いてみると、床が空っぽで本人はいない。おどろいて縁側へ出ると雨戸が一枚開いているではないか。庭を透かして見ると、土蔵の前のあたりに動いているものがある。庭下駄を突っかける間もなく、跣足で飛出してみると娘のお輝だ、たぶん夢でも見たんだろう。――もっともその晩、まだ宵の内に気分が悪いと言い出して、自分の部屋へ私と母親を呼び付けて大騒動したがね。雪隠へ行くとケロリと癒ったと言うから、安心して引取ったが」