Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.804 Zeichen · 225 Bildschirme
「私ですよ、実は大根と揚げで――」
「残ったのがあったら、持って来て見せてくれ」
「捨ててしまいました。私じゃありません。若旦那へ差上げて少し残りがあったはずですが、いま昼の仕度をするつもりで鍋の中を見ると、みんな捨てた上、鍋まで綺麗に洗ってあります」
「恐ろしく行届く野郎ですね」
ガラッ八は囁きました。
「お前はお勝手を明けることがあるのか」
「え、掃除もしなきゃなりませんし」
妙に反抗的な調子が、この良い年増を喰いつきの悪いものにさせます。
「お前の居ないとき、誰がお勝手に入るかわかるか」
「居ないとき入るのはわかりゃしません」
こういった調子です。
「大主人や若主人を怨んでいる者があるはずだが、お前にも心当りがあるだろう」
「そんな人はありゃしませんよ」
この女からは何にも引出せそうはありません。
先代の女房お倉――若主人の重太郎には継母に当るこの女が、死んだ重太郎の側に寄り付かないのは一つの不思議です。ようやく自分の部屋に半病人のようになっているのを捜し出してくると、
「どうしましょう、親分さん方。私はもう自分も殺されるような気がして」
とおろおろするばかりです。