Japanische Klassiker mit Furigana
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あめのたまがわしんじゅう
雨の玉川心中
山崎 富栄
Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme
前に一度きいたことのある事件(女のひと)井原さん(伊原さん?)とかいって、二十六才。女子大卒で、美人。スラリとしていて、温和しく、申し分のないようなひとらしい。
阿佐ヶ谷に住んでいて、御嬢様の由。
ちょっとした、ドン・ファン。可哀想な日本のロマンサー。
「僕には女がある。僕と一緒に死にたいというんだといったんだが、問題にしねえんだ。美容師ですって? と、よく知ってるんだ、おまえのことを」
「……」
「その女、僕に逢うと、すぐ泣くんだ」
「……」
「だから言ったじゃないか、お前がいつも、そばから離れずに、付いていてくれなきゃ駄目だって……。僕はどうしてこう女に好かれるのかなあ! 丁度いいらしいんだね、僕は。余り固くもないし、場もちは上手だし――。貴男は、小説にいつも御自分のことをまずい顔の男だとお書きになるけど、ずるいって――とも言うんだよ」
――随分な人です……。
“死ぬ気で僕と恋愛してみないか。責任をもつから”と言われて、親も兄弟も棄てて、世間も狭く歩いている私。それでも、恋とか、愛とかいうことより以上に、兄妹と言いたいような血のつながりを感じ合っている私達だからこそ、こうしたことも話し合い、修治さんも本性をむき出しにして下さるのだ、とも思う。