Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あめのたまがわしんじゅう

雨の玉川心中

山崎 富栄

Lesen Sie 雨の玉川心中 (あめのたまがわしんじゅう) von 山崎 富栄 (やまざきとみえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 63.997 Zeichen · 129 Bildschirme

Aozora Bunko

と申し上げたかったのです。そしてわたしの願いごとを、ありのままに書いて、わたしたちの心の中に隠されている宝を理解していただきたかったのです。

どうぞ、わたしからこの宝をとってしまおうとなさらないで下さいませ。津島様は明※(「析/日」、第3水準1-85-31)な頭脳と、豊かな御人格で、日本作家陣の最高の地位を保っておられ、文壇をリードされていらっしゃる御立派なお方で、御性格からは、佗しさと、優しさの印象がわたしには強く感じられるのですけれど、お友達の言葉を借りますと、

「とても貴族的で、明朗で、天才的なお方」なのです。

津島様はわたしとは十も年がお違いになっていらっしゃいますが、何となく血のつながりの濃いものが感じられ、お父さま、お母さまの御心配なさるようなお方ではございません。

わたしも年が明ければ三十ですし、罹災して、あちこち世の中の苦労も身につけ、もう一通りの女の眼や、成人生活も持ったつもりでおりますし、そうしたものを通して、御つきあいいただいているつもりでございます。

わたしは女史といわれるお方のように、世の中に名前が出なくてもいいのです。

芸術の生命をわたしに教えて下さったお方に愛されて、そのお方の持っている美しいもののような何かを残して死にたいのです。