Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

彼の道此の道

『連判の紙屑返しも、きょうで五日がかり、歩くのはよいが、今の六郎左衛門流に、返してやると、内心ではホッといたしておる癖に、アア威張られるには恐れ入るな』

『大高、灰方の家はこの路地だが』

『ひどい長屋だな、――灰方藤兵衛の分を貸したまえ、暇どっては面倒だから、拙者が一人で返して来る』

源吾は、溝板を踏んで、長屋を覗いて行った。

『藤兵衛殿、在宅か』

『誰だ』

『源吾』

この暑さに、色も褪せ果てたボロ蚊帳の中で、藤兵衛は裸で寝ていた。むっくり、肱を起して、

『やあ、大高氏か。……こいつは閉口。今、蚊帳を外すから、暫時そこで』

『あいや、その儘で』

『浴衣もない始末じゃ、然らば、蚊帳のうちにて』

『端をお借り申す……』

と、腰をかけて、血判を戻しに来たことを、何家へ行っても同じ口上の通りに述べると、

『やあ、そうか』

と、藤兵衛は正直に、重荷を下ろしたような顔をする。

『――それあ、今となっては、そのほうが此方も仕合せだ。主家没落のあの前後には、血も昂っていたし、世間の眼もあり、城を枕に討死とまで、同藩の連中の雰囲気というやつもあったが、離散後は、やはり種々考えるからな……』