Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

香華にも春はあり

南部坂の浅野式部少輔の門を、つかつかと早足に入って行った旅すがたの男がある。竹の子笠を被っていたので、顔はよく分らなかった。

(はて、お飛脚かな。それにしては何日もよりちと早いが)

と、思った位で、門番が何気なく見過ごしている間に、竹の子笠の男は、式台へ出た小侍へ、何か一封の紙包を手渡すと、返辞も待たず、ツイと門の外へ立ち去ってしまった。

脇玄関の横に厩があった。そこの前に立っていた身分の低い庭廻りの老人が、

『おや? ――今のは――』

門際まで駈け出して来て、

『おうい、吉右じゃないか。吉右、吉右』

手をあげて呼んだが、もう後姿は遠ざかったのであろう。その老人は独り言に、

『おかしいなあ……よく似ていたが、人違いかしら?』

と、小首を傾げていた。

同じ頃の年配で仲のよい門番の老爺が、

『斎田さん、今の男を知っていたのかね』

『ウーム、ずいぶん久しいこと会わないので、ひょっとしたら他人の空似かもしれんが、今の男はたしかに、赤穂の御浪人で吉田忠左衛門様と仰しゃるお方に足軽奉公していた寺坂吉右衛門に違いなかったが……』

『それにしては、おかしいじゃないか。飛脚のように、何かお取次へ渡してすぐ行ってしまった。