Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

ていうのであった。

『誰なんです、一体。――その編笠を被って店先に立っていた浪人者というのは』

善兵衛が、わざと落着いて訊ねると、お粂は、まだ微かな恐怖を白い顔に残しながら、

『お屋敷の侍部屋にいらっしゃる清水一学様なんです。……何うしましょう、一学様が、お屋敷へもどって、私がここの二階に上っていたなどと喋舌ったら』

泣かないばかりな睫毛であった。

『えっ、清水一学が』

善兵衛は、こう口走った自分の不覚を、あわてて紛らすように、

『――あの一学様が立っていたんですか。なんのことだ、はははは。一学様なら、よく往来を酔って通ったり、小唄を口誦さんで、夜晩く帰って行ったり、おもしろい方じゃありませんか。だいじょうぶ、御心配はありません。善兵衛が、ちゃんと申し開きの立つように、よい智慧を貸してあげますから』

と、梯子段から見上げて、

『右衛門七、ちょっと、降りて来ないか――』

と、云った。

眼をちらと横へくばると、台所の外に、五兵衛の顔がまだ不安そうに身をかくして立っていた。然し、その路地も、近所の者が水桶をさげて通るので、米袋の糠をはたいて忙しげに立ち去った。

お粂とおつや