Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

で――木村丈八も、ちょうど、江戸へもどって病床についたのを最後として、もう以前のような仕事に焦躁る事はしなかった。頻りと、焦躁ったり恐怖したりして、赤穂方の密偵に対して、密偵を以て報いたり、風の音や、犬の出入りにも神経を突ッついているのは、皆、この邸内にいる古参と新参の面々なのである。

『話がちと理に落ちた。――飲もうか、木村』

『うむ、いろいろとまだ話がある。飲みながらぽつぽつ話そう。――だがその前に、ちょっと、御挨拶しておこうか』

次の間の薄暗い机の上に、線香の火が見えたので、木村丈八は、その前へ行って黙拝した。女気がない家である。机の上には、一杯の水と花が供えてあるだけだったが、それも、一学自身の手でしたものと見れば寔にわびしい。燈明もない。位牌らしいものもない。ただ、机の前の壁に、細い紙片が貼りつけてあった。丈八は、何気なくその文字を見て、悚然と、もいちど両掌を合せて伏し拝んでしまった。

おふくろ様    元禄十五年十月歿

清水一学     同年中歿

母子ふたり、位牌はもう出来ていたのである。

恋でない恋

ひいっ――と泣くような女の叫び声なのである。