Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

奥田孫太夫も横を向いて素知らぬ顔つきである。

『誰だ、不思議な人間とは?』

ひとりが云うと、ひとりが云った。

『見ろ、彼方からニヤついて来る男を。――裏切者の高田郡兵衛ではないか』

『ム、成程』

その囁きを耳にしたとみえ、いつのまにか弥兵衛老人は駕を降りて、列のわきへ出ていた。

『郡兵衛殿じゃないか。おい、高田、高田』

呼びかけられて欲しかったように、高田郡兵衛は、笑顔をつくりながら、すぐ路傍から寄って来て、

『やあ、これは御老人も、御一同も、首尾よく御本懐を』

『見られよ、郡兵衛殿、いずれもかように一念を遂げ、上野介殿の首級を泉岳寺へ持参する途中でござる。貴公は又、何用あって、この雪解のなかを、御苦労にもうろうろ歩いておられるのか』

『さらば、やむを得ぬ一身上の都合の為、各※(二の字点、1-2-22)と袂をわかって、余生をむさぼり居るものの、蔭ながら、一日もはやく、方々が御本意を達せらるるようにと、拙者はここ十数日、毎朝、三田八幡へ参詣しておりますので、今もその帰り途なので――』

『ほう、では、品川の朝帰りではなかったのか』

『滅相もない事。――やれやれ、御一党の晴れがましい御引揚げを見、郡兵衛も、頂上至極、こんな欣ばしいことはござらぬ』