Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

平助、はやく行け』

平助が駈け出すと同時に、女の影も、小鳥のように走っていた。崖の上の木立の中へ逃げ込んでしまったらしい。

『どうした?』

後から伝右衛門が行って訊ねると、平助は残念そうに、もう見当りませんが、女の足、もっと追いつめて見ましょうかと云う。

『いやいや、それ程にも及ぶまい。悪くしたら、藩の若侍のところへ、品川辺りの化粧の女が人目を忍んで来よったのかも分らん。――お預り中の義士方の手前にも、ちと慎んでくれんときまりが悪いぞ。……と云うて、わしなども若い時代はよくやったものだがの、ハハハハ』

中間に馬を預けて、伝右衛門は邸の奥へかくれた。何事につけても、この老人は、義士をひっぱり出すのだった。藩公の越中守が、近頃ではもうまったく内蔵助たちの同情者であって、深く四十七士に心服しているので、誰も家臣として、反対は云わないが、伝右衛門のそうした口癖や態度へ、暗に反感を持っている者は邸内にも尠くない。

御預け人の接伴役として、家中から選ばれた者は、総てで十九名であった。みな相当な年配であり、藩でも重要な位置にある者ばかりなのだ。それが、表方に詰め、奥の広い二間を、義士たちの居所として与えられている。