Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

じろきちこうし

治郎吉格子 名作短編集(一)

吉川 英治

Lisez 治郎吉格子 名作短編集(一) (じろきちこうし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 178 609 caractères · 362 écrans

Aozora Bunko

で、弁をふるって、

「人間、五十年、贅沢をして、食って過ぎるだけなら、何も盗ッ人なんて、短気な世渡りをするにゃ当らねえぜ。早い話が、俺の師匠みたいに、絵を描いても、堂島で米相場をやっても、そんなことあ、出来ら」

「ふん……大きに。だが、それじゃ一体、俺ッちは、何をしたらいいんだい?」

「だから、名を揚げることだ」

「名を売るだけなら、大泥棒になりさえすれや、嫌でも名が出る。石川五右衛門でも、自雷也でも」

「おら自雷也が、好きさ」

とお仮面屋の伜がいった。

「俺も、大好きだ」

と鼬も、眼を光らして、

「自雷也みてえな泥棒になりてエなあ」

「あれは、支那の大盗だ。吾来也という支那の盗賊を、日本の作者が焼き直したんだ」

と、仁太郎は、ちょっと、知識を誇って、

「――だが、自雷也は偉い、あれは、義賊だからな。だから、日本まで名が伝わった。泥棒でも、何かしておかないと、往生際に人に嗤われるよりも、何だか、一生涯を煙にしちまったような気がするものだ」

「そうかなあ」

「一つ、天下を取ってみようとか、世間の貧乏人を救ってみようとか。――何とか目的がなくっちゃ、狐鼠狐鼠だろうじゃねえか。