Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
「それが、郁次郎であったと申すか」
「いかにも」
「それがどうして、覆面の男であるという証拠になるか」
「一時の痴情で、お雪を、殺害したものの、後になって、悔いの涙を流したものと推察いたします。唖男の申し立てもその通りです」
「さて、浅慮千万な。いかに、彼がうつけ者でも、自分で殺害した女の死人形を見て、何で、涙を流そうか。犯罪人の心理とは、決して、そうしたものではない」
「然るに、天運の尽くるところか、その折、郁次郎の懐中物を狙っていた掏児があったのです。捕えてみると、別府の新七という道中稼ぎ、掏った紙入れには、郁次郎が長崎表から江戸へ送金した為替札と、また、女笛師のお雪と、取り交わした恋文などが、中に秘されてあったではござりませぬか」
「えっ、あの、殺された女笛師と、郁次郎との恋文があったと」
「何か、よほど、複雑な仲だったとみえまする」
「ウーム……そうか」
と、老先生の唇が微かにふるえた。
「して、掏児の新七は」
「入牢させてあります」
「この儀は、江漢が、後になって、闡明いたそう。しばらく、宿題としておいてもらいたい」
「次に、第二のご質疑――。なぜ、下手人が死者の指を切取るか、その目的が、吟味の上に明白でないという仰せですが、これは、犯人が捜査の目を晦ます奸手段にすぎません。