Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
黄門公下山
一目、その男を見ると、耀蔵はまた、愕然として、
「やっ、この男は、江戸にうろついていたあの唖聾じゃないか」
「そうだ。吾々は、名も分らないので、唖聾と呼びつけていたが、今日では、彼の名は、岩松ということが分った」
「岩松?」
「そうだ。そしてこの岩松こそ、実に、そこにいる作兵衛爺の伜であった。――生れつき愚鈍のために、何者かに強迫されて、江戸くんだりまで、連れて行かれ、つい五、六日前、神隠しに遭ったように、ボンヤリと、この小屋へ戻って来たのだ」
「じゃ、矢張り、悪人たちの手で、傀儡に使われたのだろう。しかし、そのわが子を、作兵衛は何でこんなに窮命するのか」
「作兵衛は、この山の主といわれる正直者だ。不正なことは大嫌いな頑固者。だから、わが子の岩松が、悪人どもと何かしたのではないかと見て、三日三晩、この薪小屋に縛りつけて、何もかも白状するまでは許さない。で、とうとう、唖の岩松も、知ってる限りのことを、爺の前で懺悔してしまった」
「待ってくれ、岩松は唖で聾。どうしてそんな白状をしたり、訊ねたりすることができるのか」
「それは、作兵衛爺だけには出来る。なぜと訊くのも野暮ではないか。