Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
幸福人
やがて嫁
幸福人
あの座敷に寝ころんで見たら、房総の海も江戸の町も、一望であろうと思われる高輪の鶉坂に、久しくかかっていた疑問の建築が、やっと、この秋になって、九分九厘まで竣工た。
お茶屋でもなし、寺でもなし、下屋敷という造りでもない。一体、どんな大家族が住むのであろうと、下町では、話題になっていたが、さていよいよ、引っ越しの当日、ここへ移って来たものは、痩躯鶴にも似たる老人が、たッた一人。
尤も、召使いは、四、五人ほど来たらしいけれど、荷物と言っては、古びた書箱と机と、いと貧しい世帯道具が一車、ガタクラと、その宏壮なる新屋敷へはいったのみである。
孤独な、老い先のない身で、こんな大きな建築をやって、彼は一体、何が満足なのだろう。単なる、普請狂とも思われない。
彼は毎日、家のまわりを、ひとりで逍遥して、独りでニヤニヤしていた。そういう時の彼の笑い顔は、実に柔和で、明るいかがやきが溢れている。人の性格や境遇が、その時々に依って、ありのままに人相にあらわれるものならば、彼は現在、よほど幸福であるにちがいなかった。
やがて嫁
「おう! これや初客じゃ! 富武五百之進殿が、初客にござったとはかたじけない。