Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
乾坤堂の客
「しめた、お手もとに届いたな。――あれをご覧になったお答えは、灯でご合図を願いたいと書いておいたから、あの窓の灯が、消えればご不承知。左右にうごけば、こっちの計略を、ご承認くださることになるわけだが……」
と、峰の一角に隠れて、片唾をのんで見つめているのは、いま矢を放した波越八弥。
やがてしばらく――
高楼の窓の灯が、左右に、静かにうごいた。
「あっ、ご承諾だ。ありがたい」
それを見届けると、八弥は一散に、作兵衛小屋へ帰って来た。
重粥をすすり、久し振りに、藁の上で一睡した耀蔵は、だいぶ元気になって待ちかねていた。
「波越、遅かったじゃないか」
「一刻でも、貴公が体をやすめるように、わざと日暮れまでぶらついていたのだ。しかし欣んでくれ、矢文の願意は、お聞き届けになった」
「そうか。ここまで事を運んで帰れば、老先生もさだめしお欣びだろう。夜にまぎれて、早速立つとしよう」
作兵衛は、松明を持って、ふたりを叡山の近くまで送った。そして別れ際に、自分も、もうあの住み馴れた山にもおられなくなったと言って、老いの眼をうるませた。
× × ×