Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

小箱の女

喧騒が耳を衝つ。弥次馬が、追われる。

そして、足の数が減ると、砂利場の地上に、麻の葉絞りの扱帯で首を縊め殺されている十五か、六ごろの、痛々しい、雛妓の死骸が、うごかない酷さと、冷たい美しさを持って、老先生の眸のなかへ、反射的に、飛びこんで来た。

「これは、塙先生ではございませぬか」

駕の外で、いんぎんにこう言った人物がある。

老先生は、すぐ、その誰人であるかを、声で知って、

「やあ、羅門氏か。――お役目とはいえ、お早いことで」

と、駕から立った。

小箱の女

「――拙者も、今、駈けつけたばかりです」

羅門塔十郎は、検死役人の手帳をのぞきこみながら、

「また、同じ策に、してやられました」

と、かろく、舌打ちを鳴らした。

「同じ策とは」

「ごらん下さい」

と、老先生を、眼で誘って、お半の死骸のそばへ近づいた。――附近を追われた弥次馬たちは、遠くから、

(塙先生だ。鶉坂の先生だ)

と、囁き合っていた。

羅門は、腰をかがめて、友禅の袂の下に隠されてあるお半の左の手を示して、

「また……小指が斬り取られています」

「なるほど」

老先生は、予期していたことのように、

「これで三人めじゃ」