Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
女笛師
と、ひとりの部下に耳打ちをして、すぐにその場から走らせた。
女笛師
増上寺の五重の塔を見上げたり、伽藍の横の松の樹を撫でて見たり、塀のそばに近づいて見たりしながら、唖は、空疎に、鈍々とした歩調で、御霊廟の裏へ曲がって行く。
屑屋の加山と、非人に変装した波越とは、見え隠れに尾いて行った。その二人の影を目あてとして、また東儀与力が尾いてゆくから、ちょうど三段尾行である。
「おや、また石燈籠のそばへ顔を寄せているぞ」
曲がるたびに、唖は、必ず何かの物体へ眼を近づけて考えこむ風なので、波越八弥があとからいちいち検察してゆくと、あの晩携えていた三本錐の尖で傷つけたらしく、道の覚え印しが引っ掻いてあった。
「うむ、やっぱり老先生のお眼鑑どおり、唖のやつは、全く田舎のぽッと出で、江戸の地理は皆目知らないのだ……」
そうしている間に、幾曲りして、御霊廟の裏から僧房の裏まで突き当ると、道はもうないはずであるが、唖男は、がさがさと、一方の雑木山へ登り出した。
「あっ、成程」
常識はいつも探索に失敗と迂遠な笑いを招く。道とばかり考えているから思いつかなかったが、そこは増上寺の寺領で、遠く麻布の台町まで林つづきである。