Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

うしろから、跫音がした。

不安な焦燥をもった老先生の姿である。

「おう、辰じゃないか、何しに来た」

そう言いながらも、死骸をのぞいて、ほっと安心したように、

「あ。花世じゃなかったか……」

と、呟いた。

舟辰は、すぐに、

「老先生、たいへんです。すぐに、来ておくんなさい」

と、手を引っ張った。

「どこへ」

「深川まで」

「深川へ。……まあ落着いて話せ。どうしたんじゃ」

「ゆうべ、この千吉の妹のやつが、殺されたんです。いつぞやお話し申し上げた、柳橋から雛妓に出ていたお半という美い娘です」

「なに、お半が殺された!」

と、老先生は、さながら、自分の子でも失ったように愕然として――

「あれほどわしが、固く、注意しておいたのに」

「……へい、どうも、何とも面目のねえことで」

と、お半の兄の千吉は、取り返しのつかない悲嘆と悔いに、顔を曇らせながら、

「あっしの妹のお半のことについて、先日、くわしく身の上ばなしを申し上げたところ、ことに依ると、お前の妹は、人に殺される惧れがあるから、気をつけいと、老先生が仰っしゃって下さいました。……それを、あっしゃ、実は肚ン中で、嗤っていたんです。