Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ろうごくのはなよめ
牢獄の花嫁
吉川 英治
Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans
「チェッ、残念」
彼は、地だんだを踏んだ。
「ばか!」
「たわけ!」
「間抜けめ」
あらゆる罵詈と乱打が、彼を、地上に蹴ころがした。それを、大村父子は心地よげに見下ろしながら、
「わははは。智恵なし同心め、自分の来るよりもはやく、江戸の方から、種明かしの密書が、宿場次ぎの早飛脚で、飛んで来ているとも知らずに、化け澄ましてきたのは笑止千万だ。――それっ、霧谷の岩牢へ、こやつを抛りこめ」
山扮装の侍の群は、耀蔵のからだを引っ担いで、四明ヶ岳と如意ヶ岳のあいだにある、谷間へ降りて行った。
俗に、霧谷とよぶくらい、そこは、二六時中、霧の霽れたことのない陰湿な沢だった。
ばり、ばり、と枯木や、落葉を踏みしめて来た谷間の岩窟――陽あたらずの岩壁――魔の口のような真っ暗な岩屋牢。
耀蔵は、その中へ、抛り込まれた。
暗い! 夜よりも暗い! 外は絶えずぼやっと霧が煙っている。
「番人なしで大丈夫か」
侍たちは、しばらく、外で騒めいていた。
「なに、この厳重な鉄の柵が破れるものか。――それに、見張は、如意ヶ岳の山の主が、ちょうど、真向うから見張っているんだ」
「ウム、炭焼の作兵衛か。