Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans

Aozora Bunko

すると、怪しや、その傍らの、畳四枚を敷いたほどの、苔むした岩の地の下から、まだうら若い女の声が、それに答えて云うのであった。

「力柱殿のおっしゃる通り、どうやら今夜も荒模様、寂しいことでございましょう」

するとまたもや力柱の根もとの声が云うのである。

「寂しいのは我慢をするとしても、昨今の不景気はどうでござる。ご同様これではやり切れぬ」

「ほんとにこれではやり切れませぬ。何んとかしなければなりますまい」

「なんとかしようと思っても、こう人間が吝嗇になっては全く仕事がやりにくい、この頃の手合は容易のことでは百文の賽銭も投げんからの」

「そう云ってもあなたの方は、まだホヤホヤの新店だから、お賽銭の額も多かろうが、私の方の守本尊、孕石様のご利益と来たら、ずいぶん昔から云い囃され、試しの尽くされたあげくゆえ、今では一向信者もなく、自然お賽銭も上がらぬ始末に、私一人の生活さえ、むずかしいほどになりました」

「いかさま、お前にそう云われて見れば、私のほんの子供の頃から孕石様のご利益は随分耳に聞いたものさ、古い神様にゃ相違ねえ。ところで本当にその孕石様へ――つまりそこにある苔だらけのその途方もねえ穢い岩へ、子の欲しい女がさわったなら、翌月から子供を孕むというそんな利益があるものかね?」