Classiques japonais avec furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans
天井からぶらさがる首
天井からぶらさがる首
時が経つにしたがって人々の心も落ち着いて来た。
五右衛門がやがてこう云った。
「かほどまでの怪物とは某もこれまで夢にも存ぜず、全く胆を冷しましてござる。……ついてはこれら四人の者いかが成敗致しましょうや?」――四天王を指差した。
「さようさ」と老師は打ち案じたが、「悔悟致して善道につくと、もし誓言致すようなれば放逐なされてもよろしかろう」
「さらば訊き質すことに致しましょう」
五右衛門は一膝進み出たが、まだ一言も云わぬ中に四天王達は異口同音に、
「今後謹しむでござりましょう。命はお助けくだされますよう」
と、額を擦りつけて詫びるのであった。
「意気地のない痴漢よな。よいよい縄目を解いてやるほどに、とく城から出るがよいわ」
五右衛門は嘲笑って罵った。
四人の者の立ち去った後、五右衛門も会釈して立ち去って行った。
間もなく着換えの衣類などを御嶽冠者から送って来た。しかし当の御嶽冠者はついに姿を見せなかった。
城中何んとなく騒がしい。どうやら戦備に忙しいらしい。どこかへ出陣でもするのらしい。
「さて、我々は用はない。用のない時は寝るに限る。数馬殿、芳江殿、市之丞殿、愚老に構わずお休みなされい」