Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans
虚空に浮かぶ大振り袖
「何故と申しても、実のところ、私は誰がこの私にお家の秘密を明かしてくれたか、忘れてしまったからでございます」
甚五衛門はそれを聞くと鋭い声で哄笑した。
「では忘れたとおっしゃいますか? いよいよそれに相違なくば、あなたはどうして身に降りかかった疑惑をお解きなされますな?」
「私は潔白でございます! 身に降りかかった疑惑など私には何もございません!」
「あくまで明しを立てぬとなら、殿の寵妾とて容赦はせぬ! 殿に願って御身を捕らえ充分糾明致すまでじゃ!」
「えッ」と鳰鳥はそれを聞くと、義明公の膝元へ転がるように走り寄り、そのまま膝へ取り縋った。
虚空に浮かぶ大振り袖
義明はひしと鳰鳥を可憐しそうに抱えたが、甚五衛門を睨みつけ、
「ええ、差出者の大白痴め! いつもの思慮深いその方が、今宵の仕業は何事じゃ! マドリド司僧の残党とこの鳰鳥とを一列に並べ、何一つ証拠のないのもいとわず詮議立てする愚か者、少しく乱酔いたしたと見える。くどく申さば今夜限り余が面前より遠ざけるぞ! ……鳰鳥! 義明が許すほどに構わず部屋へ帰るがよいぞ。そうじゃ、そうしてそちの部屋で、更めて酒宴を開こうぞ。