Classiques japonais avec furigana
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さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans
四
よい計はないものでしょうか」
「こよいは寝んで、明日、地の利を見てみよう」
孔明は落着いていた。
四
南安は、西は天水郡に連なり、北は安定郡に通じている嶮峻にあった。
孔明はそのあくる日、仔細に地理を見て歩き、後、関興と張苞を帷幕に招いて、何事か計を授けていた。
また、物馴れた人物を選んで、偽使者に仕立て、これにも何やら言いふくめた。準備期間が終ると、南安城への攻撃を開始した。そしてもっぱら、流言を放って、
「柴を積み、硝薬を用いて、火攻めにして陥さん」
と、敵へも聞えるようにいわせた。
夏侯楙は大いに嘲笑って、
「孔明孔明というが、ほどの知れたものよ」と怕れるふうもなかった。
南安の北に位置する隣郡、安定城のほうには、魏の崔諒が籠っていた。崔諒は前からこの地方の太守として臨んでいた者であるが、一日、城門へ立った一使者が、
「それがしは夏侯楙馬の一将にて、裴緒と申す者であるが、火急の事あって、お使いに参ったり、早々太守に告げ給え」と、呼ばわった。
崔諒がすぐ会って、
「何事のお使いか」
と、訊くと、使者の裴緒は、
「南安すでに危うく、事急です。依ってそれがしを使いとし、天水、安定の二郡へ対し、かく救いを求めらるる次第です。