Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans

Aozora Bunko

二

「おうっ……。仲達が遂に行動しだした」

孔明は思わずさけんだ。声は口のうちであったが語気はその面を微紅に染めた。待ちに待っていたものである。彼は直ちに左右のうちから一将を選んで伝令を命じ、かねて申し含めておいた事どもを怠るな、夢うたがうなかれと、祁山の味方へ急速に云ってやった。

二

渭水の流れも堰かれるほど、魏の軍馬はいちどに浅瀬へ馳け入った。一ヵ所や二ヵ所ではない。蜀軍はもちろん逆茂木を引き、要所要所は防寨で固めている。しかし、敵の上陸はそれを避けて行われる。一部を防げば、一部から馳せ上って来る。またたくうちに、渭水一帯の水煙はことごとく陸地に移り、蜀兵は算を乱して、祁山の裾からまたその山ふところの陣営へ潰走してゆく。

「多年、患いをなした蜀の根を断つは、今日にあるぞ」

司馬懿の指揮も常の彼とは、別人のようであった。天魔鬼神も何かあらんのすがただった。

ために魏軍の士気は、実に旺盛をきわめた。鼓角は天地を震わせ、千万の刃影は草木を伏せしめた。この日、風は強く、河水は霧となって舞い、その霧は迅い雲となって、祁山の山腹へぶっつかって行き、喚声雷呼のうちに、はやくも、血を呼び、屍を求めまわる。