Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans

Aozora Bunko

越吉元帥は味方を制した。そして馬上に耳を澄ましていたが、愕然と身ぶるいして、

「琴の音だ? ……。琴の音がする」と、つぶやいた。

さてこそ、深き計略があるにちがいない。孔明とかいう軍略に長けたる者が、新たに、精鋭をひきいてこれへ来ていると聞く。――油断すな、前後を警戒せよ、と彼は高声に戒めつつ、心なお怪しみにとらわれて、退きもせず、進みも得ず、吹雪の中に立ちよどんでいた。

すると、うしろに続いてきた後陣の雅丹宰相が、それを聞くと、大いに笑って、

「孔明は詐りを得意となすと聞く。ただそれ人の心を惑わしめんとする児戯にひとしい計略。何をためらい、何をおそるる。――すでに曠野は雪つもること十尺。退くにはかえって難儀あらん。鉄車隊を先として、無二無三、陣内を駈けあらし、しかる後、ここを占領してこよいの大雪をしのぐに如かず。もし孔明を見かけたらこの機をはずさず手捕りにせよ」

と、厳命した。

越吉元帥もそれに励まされて、ふたたび鉄車の猛進を令し、兵を分けて、まず陣の四門を塞ぎ取って、平攻めに敵残兵の殲滅を計った。

――と、奥深き一叢の疎林のうちになお一廓の兵舎があった。