Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんごくし

三国志(八)

吉川 英治

Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.

N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans

Aozora Bunko

「いや、それならば直ちに、私が参って、丞相の命令なりと、急いで布陣を変えましょう」

「さ。――それが間にあえばよいが。――敵は司馬懿仲達、おそらくは」

「でも、昼夜を通して急げば」

と、楊儀が、軍をととのえているまに、すでに早馬また早馬が殺到し、街亭の敗れ、列柳城の喪失をつづいて告げた。

孔明は天を仰いで痛哭した。

「――大事去れり矣。ああ、大事去る」

と、そして、一言、

「わが過ちであった!」と、ひとり叫んだ。

「関興やある。張苞やある」

あわただしく呼ばれて、二将は孔明のまえに立った。

「何事ですか」

「各※(二の字点、1-2-22)、三千騎をひきい、武功山の小路に拠れ。魏軍を見ても、これを討つな。ただ鼓を轟かせ喊声を張れ。敵おのずから走るであろうが、なお追うな、また討つな。そしていよいよ敵の影なきを見とどけた後、陽平関へ入れ。陽平関へ」

「承知いたしました」

孔明はつづいて、

「張翼、来れ」

と、帷幕へよびつけ、汝は一軍を引率して、剣閣(陝西・甘粛の省界)の道なき山に道を作れと命じ、悲調な語気で、

「――われこれより回らん」と、いった。

彼はすでに総退却のほかなきを覚ったのである。