Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

咽るような潮の香の白く漂っている暁闇を衝いて、えいえいと、呼吸を弾ませながら城下へ入って来るのであった。

『紙屋、あれは早駕ではないか』

『早駕でしょうか』

『はてのう? ……』

するともう、汗と疲れに汚れきったその人数と、あらい掛け声とが、すぐ前まで迫って来た。そして辻の曲り角まで来かかったと思うと、

『水っ! 水をっ!』

と、触れば切れそうな声が、二挺のはや駕籠の裡からひびいた。

どさっと、駕籠尻を道ばたへ置いたとたんに、すべての人々が、そのままそこへ坐ってしまったような大きな呼吸をつき合って、

『ああ、赤穂だっ――』

『着いたぞ』

口々に云いながら、町を眺めたり、ほの明るくなった空を仰いだりした。

五、六名の駕籠人足が、ばらばらと駈けて来て、すぐ上水井戸を占めてしまった。一人が、腰柄杓に冷水を汲んで駕籠のそばへ持ってゆくと、

『うまいっ』

という声がそこで聞えた。

人足たちも、後から後から、釣瓶に顔をつけて、渇きを癒したり、手拭をしぼったりしたが、やがて又すぐに駕籠をあげて、通り町からお城の方へ向って、いっさんに駈けて行った。

樹蔭に身を退いて、黙然と見送っていた良雪は、思わず大きな嘆息をもらして、