Classiques japonais avec furigana
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しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans
悧巧武士
千種川を越えた時は、もう父子とも虚心だった。すずやかに、枕をならべて死ぬことが考えられた。
悧巧武士
二十七日、二十八日、二十九日と一藩の者は、城内の大広間に大評議をつづけ、この三日間に、生涯の感情も燃やしきったかのような興奮の坩堝にあった。
第二回の評議あたりから、大体、藩士の色は二つに、はっきりと、分れたことが看て取れた。
(公儀に矢を研いで何の益があろうか。徒らに逆徒の汚名を求め、殿の死後までをけがすものだ)
と云う前提に拠って、穏便に城を明け渡した後、然るべき策を講じようという平和論者と、又、
(――君辱しめらるれば臣死す。武士道にふた道はない。この際、われ等には死があるのみだ。籠城か、殉死か。たとえ大学様のお取立を願うにしても、この城を渡して屈するわけにはゆかぬ)
と硬論を執ってうごかない者との二派であった。
その間にも、取るに足らない枝葉の問題を持ちだして、ただ口賢く、そのくせ信念はなく、自分のもってゆきたい所を巧みに糊塗して、介在している世俗的に頭のよいのが在ることも勿論だったが、そういう偽装は、この熱烈な雰囲気からはすぐ看破されてしまって、双つの派の何っ方からも、当然に無視されてしまっている。