Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

しんぺんちゅうしんぐら

新編忠臣蔵

吉川 英治

Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans

Aozora Bunko

『どうも相済みません。手前の矢立と帳面包みを置き忘れましたが、そこらに、ございませんでしたでしょうか』

『これか』

『有難うぞんじます』

背負っている包みの中へ、その小風呂敷を包みこんで、喉に結び目を作りながら、出て行こうとすると、ちょうど石井戸から足を洗って戻って来た木村丈八が、筋肉を緊まらせて、

『やっ?』

足を竦めてしまったのである。すると糸屋も、

『あっ?』

と云って、身を翻すなり、不意に門の外へ駈け去った。

『畜生っ』

すさまじい血相で丈八が追いかけて行ったので、一学は何事かと驚いて草履に足を乗せた。彼が垣の外へ立った時には、もう彼方の畷で追い着いた丈八と糸屋とが、道中差を抜き合って、烈しい刃交ぜを見せているのである。

田植の女や男たちが、田から驚きの声をあげている。一学は腕拱みをして眺めていた。

吉良家の近習のうちでも、槍とか太刀とか把って、何家へ投げ出しても侍一人前で通用する人間は、そうたんとはいない。

然し、木村丈八と、小林平八郎の二人だけは、むしろ吉良家には過ぎ者といってよい程、これは江戸の剣客仲間に肩を竝べさせても群を抜いている。

(丈八のことだ――)