Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しんぺんちゅうしんぐら
新編忠臣蔵
吉川 英治
Lisez 新編忠臣蔵 (しんぺんちゅうしんぐら) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 337 181 caractères · 676 écrans
昼間からの事々が、走馬燈のように頭の芯を翔けめぐる。それから幾刻も経たないうちに、こうして箱根山の深夜にあって、都会とは比べものにならない春の寒風が身に沁みている自分達が、何うしても夢の中にあるような気がしてならない。
『それっ、駕籠をやれ』
粥が胸を落ちないうちに、もう体は激しく揺れだした。割石坂、女転坂と、道はいよいよ嶮しくなったが、畑宿から頂上の箱根宿までは、もう一里八丁、
『ひと辛抱だ』
人足達は、励まし合った。
藤左衛門は幾度となく、駕籠の後や天井へ頭を打つけた。白鉢巻はしているものの元結が刎ねて、髪はざんばらに解けかけている。
権現坂の最後の嶮を登りつめて、箱根宿の屋根越しに、湖水の光を見ると、
『出た、出た』
『お頂上だ』
歓呼して、関所前までの、平地を躍った。
日没から日の出まで、関所は掟通りの門限だった。まだ、仄暗いので、無論、そこの柵は閉まっていた。
打つかるような勢いで来た人足達は、門の際まで来ると、わっと云って、一斉に肩を抜いた。
『旦那方、まだ、往来が開く迄にゃ、少し間がありますぜ。今のうちに少し土を踏んでおきなすっちゃあ何うだね』