Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

雲中の大殿

まあ、風呂にでもつかって、休息したがよい」

国家老大村郷左衛門である。五十以上であろうが骨格も太く、皮膚も若い。小鬢にすこし霜の見えるくらいで、六万石の国家老といえるだけの風貌は充分に出来ている。

女は、もう埃っぽい手拭も、旅上衣も脱いで、明らさまにほほ笑んでいた。これは正しく花世ではない。富武五百之進の娘の花世とはまったくべつな女性だった。

雲中の大殿

「はい、体より、気疲れもしましたが、何よりも先に、大事な用事をすませてしまいませぬと、心の方が休まりませぬ」

玉枝とよばれたこの女は、その美貌や肉づきでは、ほとんどあの花世と変りがないほど瓜二つであるが、ただ口をきくと、その語音はまるで花世とは違っている。花世のあの優雅かな女らしさとは相違して、どこか猛々しく、気持も非常に強いらしい。しかもこの女特有な頭脳のよい明敏さもまた、そのキビキビした言葉つきによく出ている。

「そうか」

と、郷左衛門は頷いて、

「では早速だが、持参の品を一見いたそうか」

「はい、これをお渡しせぬうちは、肩の重荷が下りませぬから」

と、玉枝は、携えて来た帛紗づつみを膝に乗せて、その結び目を解きかけた。