Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

――と、お奉行も認められて、深く糺さぬまでのことです」

「見解の相違じゃ、くどく申せば水掛論、ぜひもない」

「第三のおことば、唖男と郁次郎を、なぜ対決させぬかという点は、近頃、ちとご難題かと存じます。何となれば、一方は、唖で聾、文字も読めぬまったくの明盲、何をもって、白洲の対決がなりましょうか、よろしく、ご賢察をねがいます」

羅門の弁舌は水のながれるように爽やかだった。さすがの江漢老人も、なるほど、この男は頭がいいと、心の裡で舌を巻かずにはいられなかった。

が、老先生は、その時初めて、うすい苦笑いを唇にながして、

「なるほど、唖で聾、しかも無筆では、どうにも吟味のいたしようがあるまい。これはわしも失念であった。――だが、最前おてまえは、郁次郎が覆面の男と同一人であるということは、自身の推量のみならず、唖男の申し立てもそうであったと言われたな」

「あ……」

と、羅門の眉間に針が立った。

「貴公、どうして、その唖男にものを言わせたのか」

「い、いや、あれは失言です。――失言でした」

「お間違いか」

「ことばの弾み、お聞き流しをねがいたい」

「してみると、どッちにしても、ちょいちょい吟味の手落ちがある。