Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ろうごくのはなよめ

牢獄の花嫁

吉川 英治

Lisez 牢獄の花嫁 (ろうごくのはなよめ) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 162 213 caractères · 325 écrans

Aozora Bunko

奉行所で貴様を下手人と睨めば、なにも、こんな生ぬるい吟味をしてはいない。下手人のホシは他についているのだが、しかし漫然と放免は出来ぬから、役目の手前として、一通りだけのことを訊ねるのだ。はやく済まして、貴様も今夜は、女房のそばへ帰って、晩酌でもやった方がいいじゃないか」

「…………」

「どうしても、口を開かんな! いつまで猫をかぶっていると、為にならんぞ!」

「…………」

彼の顔いろに、男は少し硬直した。

(こいつ、本物かしら?)――そう思わざるを得なかった。それじゃ、唖として対話しない以上は、通じる理はない。

彼は、紙と矢立を出して、筆談を試みようとしたが、全然、盲目だ。冗戯を書いてみせても、笑いもしない。

こんどは、手や、指や、顔の表情で、いろいろに問いかけた。白洲に唖聾をひき出す場合も稀にはあるので、唖の手話には馴れている彼であったが、この男には、それすら通じなかった。いや、通じない顔をしているのかも知れない。まるで生壁へものを言っているようだ。

彼は、煙草を吸うと見せて、いきなり、そばに隠しておいた短銃をつかみ、轟然と一発天井へ向けて放した。

「あっ!」