Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans

Aozora Bunko

後夜の鐘の鳴るのが聞こえて来た。鳴り終えた後はまた一層静けさも寂しさも優さるのであった。

「随分寂しいではござらぬか。これでしょぼしょぼ雨でも降ったら化物の出るには持って来いじゃ」

「ほんとに寂しゅうございますね。それに夜も更けたようでございます。そろそろ出るでございましょう」

「あなたは本朝陰陽術の秘伝を極わめた立派の術者、拙者も伊賀流の忍術使い、今夜化けて出るお夏狐こそよい面の皮と申すもの、どのように上手に化けたところで化けおわせることは出来ますまい」

「ほんとにさようでございますね」山尾はこう云って笑ったが、そのまましばらく感慨に沈み、やがて常陸に云うのであった。

「それにしても私や常陸様など縁も由縁もない人達が、花村様から禄を戴き、一緒に仕官致そうなどとは、何んという不思議でございましょう。私にとっては『化物』よりも人間の持っている『運命』の方が恐ろしく思われるのでございますよ」

常陸介も頷いて見せた。

こうして二人は少しの間黙って、暗夜を眺めていた。その時、突然闇の中にほのぼのと青い円光がポツリと一点あらわれたが見ているうちに大きくなり、やがて中から手弱女が忽然として現われた。