Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans

Aozora Bunko

「そうじゃ一里はたんまりある」

「それに険しい山路じゃ」

「それに恐ろしいこの吹き降り……」丑松はギョロギョロ四辺を見ながら、

「俺は歩くことがから下手じゃ」

「妾は体が顫えて来た。口が引き釣って声が出ない」

「俺一人で走っても硫黄ヶ滝までは二時間はかかる」

「二時間のことはさておいて半刻遅れても間に合わぬ!」島君はべたべたと坐ってしまった。

と、丑松は空を仰ぎにわかに耳を引き立てた。

「島君!」と不思議な威厳のある声で、「聞くがいい。あの音を。……聞こえるかな? あの音が?」

云われて島君は顔を上げた。そうしてじっと耳を澄ました。空の嵐と雨の音とを一筋はっきりと貫いて、グングングングングングングングンという底力のある太い音が、遥か遠くからこちらを目掛けて次第次第に近寄って来る。

「ええ聞こえます聞こえます」と、うわ言のように彼女は云った。「何んの音でござんしょう!」

「俺達を助ける神様の声じゃ。さああの声に乗るがよい」

こう云う丑松の声の中には変な威力がこもっていた。

「あれはな」と丑松は云いつづけた。「尊い尊いオースチン様が、お国西班牙の魔法の術で、空に懸け渡した鉄の縄じゃ。