Classiques japonais avec furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans
「かしこまりましてごぜえます」
そこで両使者は立ち上がった。
「お言葉に甘え別館にて……」
「それでは妾もその別館とやらで……」
「ゆるゆるご休息遊ばされますよう」
「へえ、こちらへおいでなせえ」
案内の者の後に付いて、使者二人は部屋を出た。
後を見送った地丸左陣、首を傾げざるを得なかった。
「お頭」と小声で呼びながら、一人の手下がはいって来た。
「おお貴様は鎌髭の権か」
「大変な奴らが来ましたねえ」
「大変な奴ら? 誰のことだ?」
「あの贋使者のことでさあね」
「あの二人が贋使者だと?」
「贋も贋、大贋物でごわす。銀流しの上前刎ねとは、彼奴らのことでござんしょうよ」
「いったい二人は何者だな?」
「頭や俺らの仇でごわす」
「どうして貴様知っている」
「知るも知らぬもありゃあしねえ。双六の六太に骨牌の花九郎、猩々の酒兵衛に太鼓の胴左、この四人の仇でごわす」
「おおそれでは数日前に……」
「私を加えて五人の同勢、古田の宿場で仕事をしようと、峠の中途へ差しかかった時……」
「バッタリ出会った駈落ち者、恐ろしい手利きだと貴様に聞いたが……」
「そ、そいつらでごぜえますよ! あの二人の使者野郎はね!」