Classiques japonais avec furigana
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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
Lisez 蔦葛木曽棧 (つたかずらきそのかけはし) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 335 908 caractères · 669 écrans
と人丸左陣は大口をあけて哄笑した。「峠道での手並みにも懲りずまたも掛かるとは身のほど知らず、見れば人数も三、四十人、蹴破って通るには手間暇はいらぬ。おいお銀、やっつけようぜ!」
「あいよ」と云うと傾城小銀スルリと帯から懐剣を抜く。人丸左陣も太刀を抜くと真っ向に冠って突進した。
それと見て取ると鎌髭の権、颯とばかりに引き退いたが、松火を空に打ち振った。これが一つの合図と見え、今まで燃えていた松火の火が一度にバタバタと消えてしまった。にわかに暗くなった雪の山、その白雪を踏みしだき大勢の足音が聞こえたが、それも次第に遠退いて行き、寂寥として人影もない。
「何んとこいつは驚いたなア」人丸左陣は唖然とした。
「こっちの威勢に驚いたのさ。さあこの隙に落ち延びよう」と傾城小銀も嘲笑う。
「合点」とばかり手を取り合い二人は先へ走り出した。丘を巡ると沢である。その沢を越えると高原である。その高原を突き進む。と、再び行手にあたり貝の音が堂々と響き渡った。つづいて焔々たる松火の火が百余り鶴翼に展開された。
トットットットッと一人の武者が群を離れて近寄って来た。
「お使者いずれへ参られるな。