Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
さんごくし
三国志(八)
吉川 英治
Lisez 三国志(八) (さんごくし) de 吉川 英治 (よしかわえいじ) en japonais avec furigana. JLPT N1. Touchez un mot pour le sens.
N1 · avancé · kanji et kana modernes · 195 604 caractères · 391 écrans
「勝算がない。いかに心を砕いても、孔明に勝ち得る虚が見出せんのじゃ。正直、今のところ、わしは唯、負けぬことに努めるだけで精いっぱいだ」
「ははあ。父上もすこしご疲労気味とみえますな」
司馬師もそれ以上は、父の懊悩を見る気になれない。胸中の不満は少しも減じなかったが、やむなくそのまま引きさがった。
それから数日の後である。陣前の兵が何かわいわい騒いでいる。河岸の斥候が何事か報らせて来たらしく、将士が陣を出て一方を眺めていた。
「何を見ているのか」
司馬師も行って見た。なるほど、渭水の向う岸に、一群の蜀兵が此方へ向って何事か喚いている。大勢の真ん中に、旗竿をさしあげているのだ。竿の先には、燦爛たる黄金のをさし懸け、それを振り廻して、児戯の如く、悪口を吐いているものもあった。
「魏の勢ども。これは何か知っておるか」
「汝らの都督、司馬仲達のであるぞ。先頃の敗北に、途に取り落して、命からがら逃げおったざまの悪さといったらない」
「口惜しくば、鼓を鳴らして取り返しに来い」
「いや、来られまい、腰抜け都督の手下どもでは」
曝し物の※(「灰/皿」、第3水準1-88-74)を打ち振り、手を打ち叩いて動揺めき笑う。